Aliexpressで電子工作-4 ブレッドボードを買ってみた

半田ごてを買ってしまいましたが、いきなり基板にはんだ付けして組み立てる前にブレッドボードを使ってみましょう。

ブレッドボードとはこんなやつです。

たくさんの穴が開いていてそこに部品のリード線を差し込むと内部で接続されるようになっています。

大きさもいろいろありますが、自分に合ったものを探してみましょう。

このタイプの場合、一番上の青いライン(-と書いてある)は横一列に内部で接続されています。同様にその下の赤いライン(+と書いてある)も横一列に接続されています。

一番下の赤いラインと青いラインも同様に横一列に接続されています。ただし、上の赤いラインと下の赤いラインどうしおよび、上の青いラインと下の青いラインどうしは接続されていないので必要ならばジャンパー線で接続して使い、また接続しないで5Vと3.3Vや9Vと6Vのように2種類の電源をボード上に用意することもできます。

上下の2本ずつは主に電源として使いますがそれ以外の部分は電源以外で使用するのが普通です。もちろんただ接続方法が異なるというだけでその用途に使用しないといけないというものではありません。

上下の2本に挟まれたエリアは縦に接続されています。例えば「1」と書かれた部分は「AからEまで」5つの穴が内部で接続されていて、その上の「FからJ」の5つも同様に内部で接続されています。

接続されていない穴どうしは「ジャンパー線」で接続します。

例えばこんなものです。

25cm、20cm、15cm、10cmと用意してみましたが、あまり長い線を引き回すとトラブルのもとになりますので、できれば10cmやもっと短い5cmくらいのものをたくさん用意しておくといいかもしれません。

また、ジャンパー線の先端も上の写真のように「オス-オス」、「オス-メス」、「メス-メス」などがあります。よく使うのは「オス-オス」ですがときどきそれ以外のものが必要になることもあるのでできれば少量用意しておくと便利かもしれません。

電源は乾電池を使用する場合は電池ボックスでもいいでしょう。

ブレッドボード用にこんなものも売られています。

ACアダプター(12Vや9V)を接続するとブレッドボード上の赤いと青いラインに5Vや3.3が供給されるものです。電池ボックスなどを不安定に接続しておくより確実な接続が期待できるでしょう。

基板上に書かれた「+-」とブレッドボードの「赤青」が合うように接続しましょう。反対向きにつけると「青がプラスで赤がマイナス」になってしまい思わぬトラブルになります。

基板上のジャンパーソケットを差し替えることによって5Vと3.3Vを切り替えることができます。例えば「上のラインを5V」、「下のラインを3.3V」のようにすることもできます。この場合上の青いラインと下の青いラインは接続されているので「下の赤いラインを上の青いライン」に接続して8.3Vを作るというようなことはできませんので注意しましょう。

さらに基板上のヘッダーピンからは5V、3.3V、GNDが取れますのでブレッドボード上の赤や青いライン以外の場所にも電源が供給できます。
(上のラインと下のラインは3.3Vで使用して、ほかのところでちょっとだけ5Vを使いたい時などに使用できます。)

そのほかにスイッチとLEDも付いているのでブレッドボード上の配線替えの時などに簡単に電源をOFFにでき、電源が来ているかそうでないかの確認も容易にできます。このモジュールではUSB-Aコネクタが付いていましたが、あまり使い道はなさそうです。(5Vが出力できます)

似たようなモジュールが何種類もあって、ものによってはマイクロUSBコネクタのものもあるようです。そのようなものはACアダプタの代わりにUSBチャージャーやPCから電源をとることができそうです。

AliexpressやeBay、Banggoodなどで探すと国内のショップで買うよりかなり安く買えるのはいいのですが、ショップによって、品種によっては粗悪なものもあり、今回購入したものはモジュール上のピンヘッダーが斜めにはんだ付けされていたり基板表面があまりきれいでなかったりというようなことがありました。まあ使用することは可能ですので安く買えた分大目に見ることにしました。

気になる方は国内の電子部品店かAmazonなどで購入すると多少いいのかもしれません。

 

・さて、ここでちょっと技術的な話を一つ。

この電源モジュールには「AMS1117-XX」というロードロップアウトレギュレーターが使われていますが、電流はどれくらい流せるのでしょう?

「データーシートを見れば書いてあるので簡単にわかるじゃないか?」

それではデーターシートを見てみましょう。

1A流せそうですがそうでしょうか?

1Aの電流制限(Current limit)が付いているので自動的に1A以上電流が流れないようになっています。

このデータシートには直接書いていないことがあります。

許容電力です。データシートに書いていないということはどこを見たらいいのでしょう。①ABSOLUTE MAXIMUM RATINGSです。この項目は絶対に守らないと壊れてしまうという最大規格ですので注意してください。

②Operating Junction Temperature Power Transistor -40°C to 125°Cと書いてあります。これは半導体チップの接合部分の温度が125°Cを超えてはならないということです。③このパッケージSOT-233は熱抵抗が90°C/Wであるということです。

これらのデータから許容電力を出すにはどうしたらいいでしょう?

a)接合部分の温度(Tj)は消費する電力に比例して上がっていきます。

b)更に、放熱のしにくさ(熱抵抗θja)が大きいほど比例して温度が高くなります。

c)また、室温(周囲温度Ta)との差が大きいほど(室温が低いほど)温度が上がりにくくなります。

つまり Tj = Pd * θja - Ta ということになり、 Pd = (Tj - Ta) / θja となります。実際の数値はどうなるか計算してみましょう。

1.まず、仮に室温(周囲温度Taという)が高くとも30°Cまでだとします。

2.半導体の接合部分の温度は125°Cを超えないようにします。

3.このチップのこのパッケージは放熱のしにくさ(熱抵抗)が90°C/Wあります。

 

これらの値から Pd = (125 - 30) / 90 = 1.055[W] となります。

大体1[W]くらいしか消費できないんですね。

12VのACアダプターを使ったとすると、12-5=7Vの電位差分が熱になります。1 / 7 = 0.142[A] が限度だということになります。

100mAくらいまでにしておいたほうがいいということですね。

ちなみに今回購入したショップは、ブレッドボードがこちら、ジャンパーリードがこちらこちらこちら、電源ボードがこちら(ちょっと作りが雑かも)、ACアダプターがこちらです。参考までに。

それでは次回はやっと何か組み立ててみることにしましょう。

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