はんだ付けでボリュームを壊した
とある回路のはんだ付けをしていたが、完成後の動作が期待通りにならないのです。
テスターでいろいろチェックしていくとボリューム(可変抵抗)が断線していました。
よくあるこんなやつです。
半導体と違って熱や静電気には強そうだし簡単に壊れるイメージがありません。
はんだ付け前にチェックしたわけではないので、元から壊れていたかもしれませんが交換後にいろいろ調べてみるとどうもはんだ付けで壊した可能性が大きいようです。
特に大量生産しているわけでもないし、壊れた原因がわからなくてもそんなに高いものでもないし新しいものに交換すればいいだけなんですが、今後、同様の失敗を繰り返さないためとちょっと壊れた原因に興味があったので調べてみました。
端子部分を拡大するとこんな風になっています。
一度はんだ付けしたものを外して、さらに金属のカバーも外してみてみました。
抵抗体の終端部とはんだ付け端子間の導通がありません。
台座パターン部分と抵抗体の終端部は導通がありました。
テスターでいろいろ調べてみると、はんだ付け端子と接触している台座パターン部分との間の導通がないようです。
拡大してみると少し隙間があるように見えます。
はんだ付けを何度も繰り返したり、フラックスを大量に使用するとこの隙間にフラックスや酸化物が入り込んで接触不良になるのではないかと思います。
どうやらこの写真の左側、はんだ付け端子が一旦下に曲がっているところと台座パターン部分で主に接触しているのではないかと思われました。
このボリュームはパネル取り付けタイプであり一般的には①の部分にはんだ付けするのですが、基板に固定しようとして①と②の両方にすずメッキ線をはんだ付けして計6端子で基板にはんだ付けをしていました。
壊れて取り外したボリュームの②の部分を何度かペンチで圧着すると接触が復活しました。
教訓として①の部分にははんだ付けをしてもいいが、②の部分にはなるべくはんだ付けをしないようにして、やむを得ずはんだ付けする場合には手早く行うようにするとトラブルにならないことがわかりました。