Aliexpressで電子工作-14 金メッキバナナプラグを買ってみた(DMM抵抗値表示の怪を検証するため)
デジタルマルチメータの抵抗レンジがどうも信用できなくなったので一度ちゃんと調べてみようと思いました。
きちんと状況を把握するにはできるだけ「ゼロオーム」に近い状態にすることが必要となります。
そこでデジタルマルチメータの測定端子を最短で最小抵抗で短絡するために金メッキのバナナプラグを購入しました。こんなやつです。
なるべく太い線で短くショートリードを作ってみました。
早速デジタルマルチメータにつないでみたのですが、低抵抗にならず表示が不安定です。
バナナプラグ本体とバネ部分の接触が弱くて不安定なのが原因でした。
試しに細いワイヤーで締め付けてみると、かなり改善されて低抵抗で安定した接触が得られました。
この状態でもいいかなと思ったのですが、何度かジャックに抜き差しすると緩んでくるようになりました。そのため回転するのをあきらめて半田付けしてみました。
大きい半田ごてがなく長時間こてを当てていたので少し汚くなってしまいました。(きれいに半田付けするには大きめの半田ゴテが必要になります)バネ部分が一切回転しなくなってしまいましたがこれで接触不良もなくなりデジタルマルチメータの調査もスムーズに行うことができるようになりました。
おまけ(というか本題はこっちかもしれません)
デジタルマルチメータのメーカーや機種にもよりますが、抵抗レンジにオフセットがあったり「ゼロオーム」より小さくなった時にマイナス表示するかしないかの違いがあったりします。
某掲示板で少し話題になったのですが「テストリード1本の時より2本直列の時のほうが抵抗値が小さく表示される」という現象が起きるもので、上記のオフセットの存在とマイナス表示の有無によってこのような現象が起きていました。
うちのデジタルマルチメータ(ADVANTESTのTR6846)もこの掲示板の内容と同じく抵抗の最低レンジ(30.000Ω)において、0.110くらいのオフセットがあり通常モードでは抵抗値がゼロオームより小さくなってもマイナス表示をしませんでした。(NULL演算機能を使った場合はゼロオームより小さくなるとマイナス表示をします)
したがって、NULLを使わないとゼロオームに近い場合「0.110Ω」と表示され、抵抗が増えるにつれ表示値が減りゼロオームを超えると再び表示値が増えていきます。つまり、ゼロオームから0.220Ωくらいまでの間は正確な値がわからないのはもとより、2つの抵抗値を比較してもどちらが大きいか小さいかもわからない状態になります。この図において、表示される値がYΩの時X1ΩなのかX2Ωなのかわからない。また、この範囲では大小の比較ができない。このようにしてDMM抵抗値表示の怪が起きます。
NULLを使えばマイナス表示が出るのでどちらが大きいのか判断することができます。
どちらにしても0.1Ω以下の抵抗を測る場合は通常の2端子法の測定ではあまり正確に測定できないため、4端子法での測定を行う方がいいでしょう。