Aliexpressで電子工作-23 Multifunction delay trigger timer(ロングタイマー)
555タイマーといえば1972年にシグネティックスが発表してから多くのメーカが製造しバイポーラの他にもCMOSの555も多く生産販売されています。Wikipedia
一時期、555タイマーとカウンターを組み合わせた長時間タイマーIC(AN6780、AN6783、M51849、TA7326など)も製造されていましたが現在ではあまり入手は容易ではありません。
バイポーラの555はかなり安く入手できますがCMOSはそうでもないようで、CMOSの555とカウンタを使って長時間タイマーを作るくらいなら何らかのマイコンを使ってしまったほうがいいくらいです。
ただ、上の画像のようなプラスチックパッケージのようなICではなく小さい基板状のモジュールになっているものは現在でも多く販売されています。
きちんとした規格表がないのであまり詳しい仕様がわからないのですが、10個で100円しないようなかなり安い値段で売られていましたし基本的な回路がありましたので購入してテストしてみました。
ただ、このままでは実験しにくいのでピンヘッダにのせてブレッドボードで実験しやすいようにしてあります。基本的な使い方はVccがおよそ2V~5.5V、必要な時間に合わせてRx1とRx2間に抵抗を入れTriggerは立下りのエッジでタイマーがスタートします。Output端子の出力は電源投入時(定常状態)で”H”、タイマー動作中は”L”になりタイマー終了後再び”H”になります。また、トリガーは立下りエッジで動作しタイマー動作中に発生した立下りエッジでは影響しないため下のタイミングのように長いトリガー入力や複数のトリガーパルスでも最初の立下りのエッジからの時間でタイマーが終了します。電源投入のタイミングでタイマーを動作させたい場合はパワーオンで短いパルスが発生するように小さなコンデンサを接続します。ここで、モジュールのトリガー入力端子は内部でおよそ100kΩでプルアップされているのでトリガースイッチだけ又はコンデンサだけでも動作するのですが、スイッチの配線を伸ばす場合はノイズで誤動作しないように10kΩ程度の抵抗でプルアップしたほうがいいでしょう。
また、パワーオンで動作させるためのコンデンサは10kΩでプルアップした場合は10nF(0.01uF、103)くらいにします。あまり小さいと(あまり短いトリガーパルスだと)タイマーが起動しないようです。
トリガースイッチと併用しないでパワーオンでのタイマー動作のみに使用する場合は、コンデンサを使わずにトリガー入力を直接Gndに接続しても動作するようです。
タイマーの動作時間はRxに接続した抵抗によって以下のようになります。温度によっても多少変動すると思いますがそれよりも電源電圧によって結構変動するようです。[Rxに接続する抵抗値とその時の内部発振周波数、タイマー動作時間(3Vおよび4.5Vの時)]
なお、内部発振の出力は取り出せないようなので必要なRx値を決める場合には実際に動作させて調整するようになります。あまり長時間の場合には次にあるように倍率を4段階に設定できるので1倍でRxを確認して8倍、64倍、512倍で運用するなどの方法もあります。
長時間のタイマーを作る場合はP1、P2端子をVccに接続することで時間を8倍、64倍、512倍にできます。出力は”H”の時が約2mA、”L”の時が約20mA流すことができます。
消費電流は、
(出力に何もつないでいない場合、Rx=10kΩの場合)
・タイマーが動作している時:約400μA
・タイマーが動作していない時:測定不可(0.1μA以下)
でした。Rxが大きいほど(内部発振周波数が低いほど)消費電流は小さいようです。安定度については調べていませんがRxが小さいほど(内部発振周波数が高いほど)安定しそうな気がします。
たいていタイマー機能だけではなくそれ以外の制御機能も必要となってくるので、マイコンを使う場合が多くタイマーモジュールやタイマー回路を使うことが少ないですが単純にタイマー機能のみが必要な場合はこのようなモジュールも結構使えそうです。
小さなソーラー電池で電池ガーデンライトをタイマーでオンオフしたい、消費電流の小さいの探したら。秋葉原aitendoでこれをみつけました。
毎日18時にON、翌日02時にOFF、にするのにはどうしたらいいでしょう。18時に電源いれて、8時間タイマーでOFF、16時間タイマーでONを
繰り返せば、いいけど、どうしたらいいかなあ、もしできれば教えて下さい。
真空管アンプ組み立てた程度の高齢者です。ダイソーのソーラーライトを3個ほど分解してあそんでいます、高額な部品はだめ
なかなか返信できなくてすみませんでした。
このタイマーは消費電力が小さくて簡単に長時間のタイマーが作れるというメリットがありますがデメリットもあります。
一つは動作時間があまり正確ではないということです。
このページの中にも少し書いてありますが電源電圧の変化でタイマー動作時間が結構変わるようです。また温度変化の影響もあると思いますがこちらは長時間ということもあって簡単に実験はできそうもありません。
ガーデンライトの点灯している長さを決めるタイマーに使用するならそれほど問題にはならないと思いますが、点灯開始時刻を決めるために使用するると誤差が毎日積み重なってそのうち昼夜逆転してしまうでしょう。
もっと正確な時計や明るさを判定して点灯開始するなどした方がいいでしょう。
安価に作るならばダイソーのデジタルクロック(目覚まし時計)などを改造したほうがより正確かもしれません。
もう一つはあまり影響ないかもしれませんが動作時間は計算で正確に出るというようなものではなく、表の中から近いものを選んであとはひたすらテストを繰り返すという方法になるでしょう。
タイマーの内部クロックが測定できればそこから動作時間を計算でそうですけれど、内部クロックは測定できそうもありません。ちょっと手間がかかるかもしれませんがRx1,Rx2端子を高インピーダンスの周波数カウンターなどで測ればクロックがわかるかもしれません。時間があったらやってみます。