Aliexpressで電子工作-11 USB-DCプラグケーブルではまった話
前回KENWOODの安定化電源をヤフオクで購入した話を書きましたが、このようなきちんとした実験用電源がないときによくいくつものACアダプターを使っていました。
いくつかのACアダプターを用意しておいて絶縁された複数の電源として使ったり、直列にして高い電圧の電源として使うことができます。
ちょっとした小物を作った時の電源としても電池では消耗のたびに交換したりしてゴミも増えるし不経済なのでACアダプターはいくつあってもいいです。
ただ以前はコネクタとしてDCプラグを使うのが標準でしたが今はUSBコネクタを標準の電源コネクタとしている機器が多くあります。
ちょっとした実験でははんだ付けがしやすいとか広範囲の電圧に対応できるとかあってまだまだDCプラグ/ジャックを使いたい場面が多くあります。
そこで安く大量に出回っている「USBチャージャー」と「USB-DCプラグケーブル」を使って安価な「5V-ACアダプター」として使おうと考えました。
安いUSBチャージャーで簡易「5V-ACアダプター」の出来上がり…のはずだったのですが。
しばらくは結構便利にに使えたたが、あるとき「なんかおかしい」と感じいろいろ調べていくととんでもないことがわかりました。
こんな感じのUSB電圧/電流計をつないで負荷試験をしていた時のことです。以前に作った定電流負荷は入力がDCプラグになっているので、USB-DCプラグケーブルでつないでいました。
0.7~0.8Aくらいで電流がそれ以上流れてくれません。
当然最初に疑うのは「安いUSBチャージャー」ですが、タブレットに1.5Aくらいの電流で充電できていたものです。
USB電圧計の読みでは4.7~4.8Vくらいあるのに定電流負荷の端子間では2Vもないのです。
どこでそんなにドロップしているのかと思いましたがなんと「USB-DCプラグケーブル」で3V以上ドロップしていました。
そんなはずはないと思ってテスターでケーブルの抵抗を測ってみると、片方で2.5Ωくらいもあったのです。両方で5Ωっていうことは1A流すと5Vのドロップ。使い物になりませんね。
というわけで1本犠牲になってもらいました。
まずはケーブルを半分に切断
赤と白の各リードの外装がそれぞれ直径0.8mm。
芯線の太さは測れません。0.5mmに広げたノギスの先端と比較して想像ください。それぞれ6本のより線でした。
それぞれのプラグ部分を開いてみます。
で、切り取ったケーブルは長さが元の半分なので赤と白の2本を直列にして抵抗値を測ってみると、2.6Ωくらいです。やれやれ…
昔購入した4芯ケーブル(商品名にはシールドと書いてあるけど全然シールドじゃないし)もちょっと怪しくなってきました。
外装が3mmで赤黒白緑の各線の外装はこちらも0.8mm長さが約1mです。抵抗値を測ってみました。
こちらは0.3Ω(接触抵抗含む)くらいです。よかった。
試しに分解したコネクタにこのケーブルを付けてみます。
USBコネクタ-DCプラグ接点間で測ってみると+-それぞれ0.4Ωくらいでした。普通悪くてもこれくらいですよね。
ただ、DCプラグというのは接点部分がむき出しなのと面又は線での接触なので接触は弱くなりやすいですね。DCプラグにはこんなものもあります。
中心が昔からある円筒ではなくバネ状になっているものです。こちらのほうが若干接触抵抗は低い気がします。それでも外周はむき出しで汚れやすいのでやはりDCプラグはあまり大きな電流には向かないのでしょうね。
ということで手持ちのUSB-DCプラグケーブル
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USB-2.1/5.5mmDCプラグケーブル2本ずつ2つのショップで購入。USB-1.35/3.5mmDCプラグケーブルこちらも2本ずつ2つのショップで購入したもので4つのショップで購入した合計8本
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の抵抗はすべて見事に高抵抗でした。